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ジャカルタより7時間の列車旅でアマンジウォへ。アマンの洗礼、魂を浄化する旅へ Part1

Дата публикации: 02-10-2026 00:00:00

喧騒のジャカルタ・ガンビル駅から、アマン専用車両に揺られること7時間。効率とは真逆の、ゆったりとした鉄路の旅こそが、アマンジウォでの非日常へと心身を整える通過儀礼となる。早朝の静寂に包まれたボロブドゥール遺跡のプライベートツアー、そして棚田と火山を望む静謐な楽園での滞在記。


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ラグジュアリーホテルという枠組みでは、もはやアマンを表すことはできない。なぜならそれは、単なる「滞在」ではなく、忘れがたい「体験」となるからだ。優雅な列車の車窓から流れるジャワの原風景に身を委ね、 神聖な寺院の泉に心身を浸す。仏教の聖地ボロブドゥールを借景にする「アマンジウォ」、 そしてバリの文化の深淵に触れるウブドの「アマンダリ」。2つのアマンを巡る8日間の道のりは、私たちの魂を洗い流す「浄化」の旅となる。

日常を脱ぎ捨てる、7時間の鉄路の旅

旅の幕開けは、喧騒に包まれたジャワ島、ジャカルタ・ガンビル駅。10時30分、ここからアマンの特別列車に乗り込み、ジョグジャカルタにあるアマンジウォへと向かう。列車の一番後ろの1車両がアマン仕様となっており、年間で運行するのは約10回程度だという。車窓には水田や熱帯雨林の緑のグラデーション、小さな村やモスク、そして大きな河川といったパノラマがどこまでも流れていく。車内で供される味わい深い食事、そしてスタッフたちの温かなもてなしが、これから始まるアマンステイへの期待感を高めてくれる。

アマン専用の特喧別車両

Amanjiwo

旅の出発点はジャカルタ・ガンビル駅。喧騒のプラットホームからアマン専用の特喧別車両へと足を踏み入れた瞬間、日常から切り離された、浄化の旅が静かに始まる。

鉄路の途中では、専属の人類学者パトリック・ヴァンホープルック氏から、目的地の一つであるボロブドゥール遺跡や、この地の宗教・歴史についての解説を聞くことができる。先住民の精霊信仰を土台に、ヒンズー教と仏教が重なり、さらにイスラム教やキリスト教が積み上がった地層のような構造こそが、この国の宗教の形だ。ジャワ島にはイスラム教、バリ島にはヒンズー教と、地域ごとに異なる宗教が色濃く残る。アジアの中でもまれなこの重層性こそが、インドネシアという国と人々を知るうえで、とても重要な鍵なのだと知る。

ラグジュアリーな専用ラウンジカー

Amanjiwo

ジャワの伝統的な意匠が息づく、ラグジュアリーな専用ラウンジカー。道中、同乗する専属の人類学者からジャワの歴史や地形、宗教についての情熱的なレクチャーを聞くことができる。

向かい合ったシートで過ごす約550キロ、7時間という時間は、効率やスピードを求める現代の移動とは対極にある。だが、このゆったりした時の流れと疲労感すらも、思考をオフにし、アマンでの非日常へとチューニングしていく心地よい通過儀礼となる。

車内でサーブされる食事

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美しい車窓の景色を眺めながら過ごす、約7時間の優雅な移動。車内では朝食とランチ、そしてお茶とスイーツがサーブされる。

ジョグジャカルタ駅に到着したのは17時30分。さらに駅から車で90分、奥深くへと進み、アマンジウォにたどり着く。すでに暗くなった敷地に足を一歩踏み入れると、エド・タートル設計による美しいシンメトリーの建築に、深く息をのんだ。「平和なる魂」を意味する名にふさわしい静謐な空間に身を置くと、自身の内面がゆっくりと呼吸を取り戻していくような感覚があった。

アマンジウォ

Amanjiwo

リゾートのいたるところからからボロブドゥール遺跡が望めるよう設計されている。古代の王族たちや偉大な遺跡をたたえるかのように、石をふんだんに用い屋根は火山灰を用いたドーム型に。ヤシの木や手彫りの家具、ジャワ更紗、地元の産物や工芸品が美しく飾られ、ゆったりと落ち着いた気分でくつろげる。

アマンジウォでは、土地と深く結びついた食体験も記憶に残る。伝統家屋「Joglo Sawah」で楽しんだ、臨場感あふれる屋台スタイルのディナー。地元出身スタッフの母親のレシピで丁寧に煎じられたハーブティーの深い味わい。そして、エグゼクティブシェフと共に地元の市場をめぐるクッキングクラスは、インドネシアの多様な食文化を五感で吸収できる貴重なひとときだった。

レストランのテラスから望めるムラピ山

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レストランのテラス席からジャワにおいて神聖とされるムラピ山を望む。

丁寧に煎じられたハーブティー

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円形のドーム型のパビリオンの中心にあるレセプションエリアでは地元出身のスタッフの母親のレシピによるハーブティーが飲めたり、地域の伝統舞踊やガムランの生演奏など、地域を体感できるさまざまな体験が用意されている。

そして圧巻なのはボロブドゥール遺跡のプライベートツアーだ。早朝の静かな時間帯に訪れることができ、432体の仏像と72基の仏塔が並ぶ回廊をめぐり、最上段からの景色を拝む。約1200年前の時空を超えたような不思議な感覚に襲われた。

ボロブドゥール遺跡

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約1200年前に建てられ、一度は忘れられ、200年ほど前に再発見された、ボロブドゥール遺跡。

円形型のパビリオン

Amanjiwo

アマンジウォに到着すると、迎えてくれるのはこの円形型のパビリオン。この真正面にボロブドゥール遺跡を拝むことができるというこれ以上にないぜいたくな立地。写真はルームサービスを運んでいるスタッフ。

同様に心を揺さぶられたのは、ジョグジャカルタ王宮の初代君主が宮廷内で広めた伝統弓術ジャンパリンガンの体験だった。床にあぐらをかいた姿勢から的を射るこの弓術は、スポーツのように得点を競うものではない。

アマンジウォ

Amanjiwo

左/ライムストーンの回廊に囲まれた全長約40mを誇るメインプール。デッキからは雄大なメラピ山を一望でき、朝もやの残る時間帯にヨガクラスも催される。また、敷地内にはテニスコートもあり、1名でも希望すればスタッフが相手を務めてくれるという。真ん中/敷地内では、伝統的な弓術ジャンパリンガンの体験ができる。王宮の指導者でもあるマスター、ブディ氏のレッスンは、ここアマンジウォでしか受けられない。 右/年に1度、5月か6月の満月の夜に催されるという仏教の祭典、ワイサック祭の夜。メインパビリオンからボロブドゥール遺跡の方角を見据えると、上空に幾千ものランタンが漂う。静寂の中、夜空に光の粒が舞い上がる幻想的な光景に息をのむ。

「弓の弦を引くことは、心を集中させることと一体である」という哲学のもと、あくまで精神修養として続けられてきた。なかでも忘れられないのが、王族にも教えているマスター・ブディが口にした二つの言葉だ。一つは「Lower your ego, elevates others(自我を低め、他者を高めよ)」。的を狙うことに気を取られるほど矢は的からそれていく。己を主張するのではなく、まず自我を鎮め周囲や相手を敬うところから真の集中は生まれるという。もう一つは「Target is others' heart(的は、他者の心である)」。物理的な的に当てることは、あくまで表層の目標にすぎない。本当に狙うべきは、自らの行いが誰かの心にどう届くか。それは弓術の教えと同時によりよく生きるための言葉であり、帰国後の日常にもそのまま持ち帰りたい哲学で、インドネシアという国の美徳の根幹に触れる精神的な対話だった。
→Part2 Amandari編に続く

ホテルを囲むジャワの棚田

ama

ホテルを囲むのは幾重にも連なるジャワの棚田。遠くにそびえる火山の稜線と共に、時の流れを忘れさせる光景が広がっている。

Amanjiwo (アマンジウォ)

Ds. Majaksingi, Borobudur, Magelang, Central Java, Indonesia.
スタンダードスイート1泊US $1,331〜(2名1室)
列車で訪れるアマンジウォ(列車代+3泊4日、2名1室):
10月2日-5日 US $ 9,350~、11月6日-9日 US $ 7,900~

※専用列車(片道)、空港送迎、VIPラウンジ利用、車内食事・人類学者同行、ホテルでの2名分朝食込み 

問い合わせ先
アマン

Tel. 0120-951-125

公式サイト

※雑誌『Esquire Japan』2026年10月号より転載

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